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「おかえり!! ノラネコぐんだん展」に行ってきました(こども学科「児童文学」授業活動)
2023-12-25
カテゴリ:活動の紹介-こども学科
12月9日(土)、こども学科の「児童文学」の履修学生と共に松屋銀座で開催されていた「おかえり!! ノラネコぐんだん展」へ学外学習に出かけました。

晴天の下、師走の銀座は大通りが歩行者天国になることもあり、多くの人が行き交い賑やかで華やかでした。それにも増して、展覧会場(松屋銀座8階イベントスクエア)は多くの親子連れでごったがえす大大大盛況! 入場までに長い列ができ、長時間待つ必要がありました。その間も、乳幼児や小学校低学年の子どもたちが語尾に「ニャーニャー」を付けながら、保護者とやり取りしている様子も窺え、学生たちと共に「ノラネコぐんだん」人気を改めて知る良い機会となりました。

展覧内容も「ノラネコぐんだん」の世界そのままにフードコート形式で仕切られ、工藤ノリコさんの絵本への知識欲だけでなく大いに食欲も刺激されました。
今年度の「児童文学」は“猫”をテーマとしており、猫が登場する古今東西の童話や絵本、アニメーション作品を教材に学生と一緒に学んでいます。履修学生を2グループに分けたディベート形式の授業で、工藤ノリコさんの「ノラネコぐんだん」シリーズと馬場のぼるさんの「11ぴきのねこ」シリーズを、描かれる猫の集団や物語性を観点に比べ読みしました。最後には「リーダーシップ」のあり方の相違について学生間で討論する展開に! こうした授業を経ての校外学習でしたので、提出された感想レポートも濃い内容でした。一部を抜粋してご紹介します。
【感想レポート】ノラネコぐんだんシリーズに関して
(学生A)
ノラネコたちの可愛くて、でもどこか生意気で気ままな姿に誰もが惹かれていると感じました。1匹1匹の名前は区別もつかないですが、その集団性や同じ姿が集まっているところこそポイントなのだと思います。また、ノラネコたちの黄色い姿は明るい雰囲気もあり、色鉛筆や水彩を使用した優しいイラストを見て、細かいところの色の混ざり具合など綺麗だと感じました。背景はもちろん、ノラネコたち1匹1匹の動き、ポテっとしたフォルムは可愛らし過ぎです。「ドッカン!」して反省して手伝う流れはどの話でも同じで分りやすいですが、本ごとに違いがあり、そこもまた魅力だと感じます。

(学生B)
工藤ノリコさんの描く作品は、鉛筆やボールペンで細かく描かれつつも、優しいタッチにしているところが多く、長閑でゆっくり時間が流れている雰囲気を出しています。事件発生などの勢いの乗った描写になると一点に集中させたようなイラストや、集中線や効果線を使い細かいものを描かないことでテンポに乗った読み方ができるように配慮されていました。美術学校に通っていた経歴もあって、読み手の読むテンポを操作するような描き方がされていて、とても感激しました。
【感想レポート】展覧会全体に関して
(学生C)
動物がたくさん出てくるイラストもあれば、人間のみのイラストもあり、動物だけを描いている訳ではないのだとわかった。頭身が小さくかわいらしいイラストが多く、「ノラネコぐんだん」シリーズと共通していた。4コマ漫画では言葉遊びが多く、展示されていた作品を読んで、つい笑ってしまった。

(学生D)
私は、『フローリアとおじさん』のイラストにとても惹かれました。フローリアとおじさんが舞台に立っていて観客の方を向いており、表情が見えない構図となっているのですが、それがかえって絵本を見ている人の想像力を掻き立てているなと感じました。

(学生E)
モチーフとなる動物は全く違うのに、親しみやすい丸みのある体や、キャッチーなタラコ唇などの共通点も見られて工藤さんならではの画風が感じられました。また、その場面に合わせて、背景の書き込みが細かく、リアルなものもあれば、シンプルな色塗りのみでキャラクターを引き立たせるものもあり、「ノラネコぐんだん」だけでは知り得なかった絵の表現の仕方、使い分けを目の当たりにすることができ、感激でした。
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