横浜市日本語支援拠点施設「鶴見ひまわり」の学校見学に行きました(こども学科・大多和ゼミ活動報告)
2024-09-27
カテゴリ:活動の紹介-こども学科
「ひまわり」は来日・帰国して間もなく日本語指導が必要な子どもたちが週3日4週間通い、日本の学校に適応できるような日本語指導と学校生活の体験を行う施設です。見学した9月は、中国、ネパール、ペルー、台湾、モロッコ、ガーナ、フィリピン、バングラデシュ、ブラジルなどおよそ10カ国程度の国から来日した子どもたちが53名通ってきていました。小学校1〜3年生は「はな」組、4〜6年生は「みどり」組、中学生は「そら」組の3クラス編成で授業を展開していました。
「みどり」組では、よく使われる基本的な「色」を使って、水彩でオリジナルTシャツの作成をしていました。日本語の色の学習のみならず、水彩絵の具の使い方も経験する合科的学習が展開されていました。学生たちは子どもたちが水彩絵の具を用いるサポートに入らせていただきました。実際の学校現場で、手遊びうたのみならず、授業の補助など貴重な経験をすることができました。
学生の感想
- 木藤校長先生から外国からきた子どもたちを保育・学校関係者として「ウェルカム」の気持ちで迎えてほしい、というお話がありました。子どもたちは自分の意志で日本を選択して来日したわけではなく、親の事情により日本に住むことになったわけです。日本語が分からない中でとても不安な気持ちで保育所や学校に来るでしょう。保育者になったらそのような子どもたちを温かく迎えられるようにしたいです。
- 中学生の数学の授業と小学校高学年の「色」を学ぶ授業の見学をしました。日本語の指導と教科指導を組み合わせて授業が進められていました。子どもたちが日本語がわからなくても理解できるように、視覚的な教材が使われていました。簡単な日本語での教材の提示の仕方や、日本語指導も合わせた教科指導の授業の展開はとても勉強になりました。
- 手遊びうたでは、子どもたちが知っているうたを事前にリサーチしてそれを披露したほうがもっと一緒に楽しむことができたのではないかと思いました。さらに、ことばだけで説明してしまったので、これからは、わかりやすい絵などを使って子どもたちが視覚からも理解しながら楽しめるようにしたいです。
- 授業の補助をする際に、ことばを区切らずに長く話してしまったので、もっと大きな声ではっきりと、簡単なことばで伝えることができたらよかったなと思いました。母語が違うなかで意思疎通を図ることは難しいことだと思いました。ですが、子どもたちは母語は違ってもお互いに意思疎通を図っている様子がみられたので、気持ちでつながることで伝えられることもあるのかなと思いました。
- 磯谷先生が子どもたちの様子をみながら歌のテンポを調整したり、適宜、声かけも行いながら歌っていて、子どもたちが演奏に引き込まれている様子がみられました。子どもたちへの声のかけ方や関わり方がとても参考になりました。大きな声ではっきり伝えることは、どの教育現場でも大切になってくるので見習いたいと思いました。
- 磯谷先生の歌声は教室全体を包み込むような声量で圧倒されました。ハキハキと歌っていて、ことばがとても聞き取りやすかったです。はじめに、自分たちが子どもたちの前に立ったときにことばが詰まってしまったときにも、すぐに声掛けをしてくださったり、歌い出しで声が小さくなってしまった時にも歌声でフォローをしてくださったり、とても助けていただきました。子どもたちと一緒にうたを歌う際にも反応をみながら、臨機応変に対応できるようになりたいです。
教員より
1年生の学生はこれから保育教育現場での実習に向けて指導がはじまります。今回ははじめて子どもたちの前に立つ機会だったこともあり、手遊びうたではいろいろ課題もありました。実際の子どもたちの反応から、そして「ひまわり」の先生方や一緒に活動してくださった磯谷大樹先生の指導の様子から、学生たちも学ぶことが多かったようです。この経験を活かして、実習の授業と11月からの幼稚園実習に臨んでほしいと思います。
お忙しい中でご対応くださいました木藤肇校長先生、「鶴見ひまわり」の先生方に、心より感謝申し上げます。