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ブルドックソース株式会社の研修に参加しました!
2023-03-27
カテゴリ:活動の紹介-ビジネス実務学科
ブルドックソース株式会社の研修に参加しました!
同社本社5階会議室入口にて。「幸福感を味わえる商品をお客様に提供すること」(同社経営理念より)
ビジネス実務科吉沢ゼミが、2023年2月14日にブルドックソース株式会社にて経営についての研修を受けました。
ブルドックソース株式会社の概要
 ブルドックソース株式会社の沿革をひも解くと、同社は1902年初代小島仲三郎が日本橋において同社の前身会社である三澤屋商店を創業した時から歴史が始まりました。以来同社はソースの製造販売の企業としての歩みを始め業界における確固たる地位を築いてきました。その歩みの中で同社は消費者の嗜好の変化に対応し、さらに味に対するこだわりを持ち続けソースを私たちの食卓になくてはならない存在に仕上げ国民的な調味材料に定着させました。もともとはイギリス生まれであるソースを日本の消費者の味覚や食生活に適合した製品へと生まれ変わらせ、日本で新たなサイクルの起点を描く製品へと変化を遂げさせました。
  
 同社創業以来操業を続けた八丁堀工場は関東大震災で焼失し、その後鳩ケ谷工場(埼玉県)に製造機能は集約されました。その工場もさらに高度化を実現するため館林工場に機能が移転され鳩ケ谷工場は役目を終えました。

 国内ソース市場を見てみると、市場規模は約575億円(2020年度実績)で、同社のシェアはおよそ25%を占めており、オタフクソースの23.3%を加えると日本の市場はこれら2社が過半近くを占めています。
同社会議室での研修風景
同社会議室での研修風景
海外展開。L.Aの日系スーパーに陳列される同社製品(東京セントラル・マーケット ウエスト・コビナ photo by K.Yoshizawa )
 同社の事業分野をみると、大きく3つに分類されます。家庭用商品としてソース類(ウスターソース、中濃、とんかつ)、家庭用商品であるドレッシング類、タレ、ケチャップなど、業務用商品として業務に適した容量が大きい容器入りソースなど、に分類されます。

 国内事業展開については、同社の事業エリアは、北は北海道から本州、四国、九州に至る地域に支店、営業所、工場を配置しており日本全国を網羅する流通網を構築しています。またグループ会社であるイカリソース株式会社をはじめとする各社の支店や工場も各地に配置されています。
試食タイム。各種ソースの味の違いを自分の舌で確かめることができた学生には笑顔の花が咲きました。
 同社では「Sauceを極める世界ブランドに成長する」という戦略が示されています。製品による国際化は以前からかなり進んでおり、国内で生産した製品をグローバルに展開しています。輸出仕向け地は、北米、南米、東南アジア、オーストラリア、中東、ヨーロッパ、アフリカなど世界各国各地域を網羅しており、世界中で同社製品の味を楽しむことができます。製品については、品質重視の観点から同社工場において厳重な品質管理体制の下で製造された製品を広く輸出する方針を取っているといえます。こうした輸出努力のおかげで、国内企業の長期出張者や日本からの旅行者が、日本の味が恋しくなった時など地元のスーパーで手に入れることができ嬉しい限りといえます。今後は海外ローカライズ戦略のもとで、現地ニーズに合わせたソースの拡販を視野に入れた国際化が展開されるとのことで、今後の同社の動静が注目されます。

 同社は基本戦略として、国内戦略、海外戦略、VC(value chain)戦略を策定(詳しくは同社HPを参照ください)し国内外に向け攻勢をかけるとしています。国内戦略においては、国内ソース市場における地位確立、海外戦略においては、ソースの現地化の推進、VC戦略においては、SDGsやESGなど環境対応も視野に入れながら持続的成長を実現する経営変革を志向しています。国内戦略や海外戦略を有効に進めるためにVC戦略を重視するとのことです。
【学生の感想】
 多くの感想が出されていますが、いくつか紹介したいと思います。

・会社の歴史を教えていただき、より深く同社とソースについての知識を理解することができました。
・実際に会社を訪問し、研修を受けさせていただくことで、現地に行かなければ知り得ないことを知ることができました。
・今までソースはあって当たり前の存在でしたが、味の違いや製法の違いなど教えてもらったのでその奥深さを知ることができた。
・最初とても緊張していたが、社員の方がその緊張をほぐしてくださり、会社の雰囲気の良さを実感した。
・社員の方に、仕事上で今まで辛いことはありましたか、と質問した際辛いことよりやりがいを感じていることのほうが多い、との返答に感動した。
・私もこのような雰囲気の良い会社で働いてみたい、などなど同社の事業内容、戦略、マーケティングが理解できたことやさらに組織文化の良さや明るさも実際に体感でき会社を知ることができたことは貴重な体験であった。

【おわりに】
 今回ブルドックソース株式会社を訪れ、会社の経営について研修を受けさせていただきました。会社の内部や社員の方々の行動の様子、社内の雰囲気など普段経験できないことも多く学ばせていただきました。経営学を理解するまたとない機会となったと感じます。100年を超える老舗企業としての歴史を有しながらも、将来に向け果敢にさまざまな挑戦を続ける同社の姿勢に感銘を受けました。学生がこの経験を通して実践の学問である経営学を学ぶことの意義を理解できたことは、今回快く勉学の場を提供してくださった同社関係者の方々のご厚意の賜物といえます。学生が会社とはどのようなものかを理解する機会になればよい、という所期の目的を果たすことができました。

吉沢正広 教授からのコメント】
 今回川口短期大学の学生に会社経営についての勉学の「場」を与えていただきました。学生にとっては貴重な経験の機会を与えられ会社経営の実際を目の当たりにできました。これに勝る貴重な経験はないと思います。現地に赴いたものにしかわからない貴重な体験をさせていただきました。この研修にあたり同社経営企画課課長小林方子様をはじめ同主任佐藤聡子様、同主任尾田佑樹様、同主事北出喜一様には当日貴重な時間を私たちの勉学のために充てていただきサポートをいただきました。また試食の際には同社スタッフの方の心のこもった試食の品を賞味させていただきました。ソースの向こうに笑顔が見える、そのような理想を掲げ発展された会社であることを理解できました。最後に、さまざまなご高配を同社からいただきましたことを改めて記し深謝の微意としたいと思います。

参考資料:当日配布された同社資料並びに同社HPに依拠。
川口短期大学ビジネス実務学科 吉沢正広
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