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ラグジュアリーブランド「シャネル(CHANEL)の歴史とブランディング活動」を学びました!
2024-07-24
カテゴリ:活動の紹介-ビジネス実務学科
シャネルの革命的な功績を学ぶ
 ビジネス実務学科の専門科目「マーケティング論」では、企業が消費者・顧客に製品やサービスを知ってもらい、興味をもってもらい、選んでもらうという必然をどのように作り出しているのか、履修生が具体的な事例を題材に学ぶことにより、ビジネス実務で必要とされる「マーケティング思考」を養っています。

 2024年7月2日、およそ20年の長きに渡り、「シャネル」の日本法人でリサーチ&カスタマーリレーションズ部門の責任者を務められた光成章さんをゲストスピーカーとしてお招きし、「シャネルの歴史とブランディング活動」と題する特別講義を行いました。

 「シャネル」は1910年代にガブリエル・‟ココ”・シャネル(以下、ココ・シャネル)によって創業されました。本人の名前を冠するデザイーナーズブランドの元祖ですが、世界的なラグジュアリーブランドという説明だけでは表現しきれない、革新的であり革命的な功績をファッション業界に数多く残しています。
特別講義でしか学ぶことのできないブランドの本質
 「ココ・シャネル」と言えば、その時代に欠かすことのできなかった「コルセット」からの女性の解放、つまり「女性の自由の獲得と自立の実現」を成し得たデザイナーとしてあまりにも有名ですが、ショルダーバッグ・リップスティック・コスチュームジュエリーなど新しいアイテムの発明や、主に男性用の下着に使われていたジャージー素材の女性ファッションへの提案など、それまでのファッション業界のルールを一変させたことでも知られています。現代風に表現すると、ココ・シャネルは言わば「イノベーター」、「ゲームチェンジャー」であり、世界のファッション業界に破壊的イノベーションをもたらしました。

 現在の「シャネル」ブランドは、「変わらない」とは一線を画す「ブレない一貫性」を保ちながらもイノベーションを体現し、今もなお女性の憧れを喚起する究極のラグジュアリーブランドとして、その時代に合った新しい価値とシャネル独自のスタイルを発信し続けています。

 前回の講義では「ブランディング」をテーマとして取り上げ、「企業の成長・発展のためにブランドが必要な理由」、「ブランドは顧客体験による頭の中の思い出の小箱」、「ブランドの背景・文化・ストーリーの重要性」を履修生は学びました。加えて履修生は今回の特別講義を通して、ブランドに対する新しい発見をするとともに企業のブランディング活動の実際とブランドが持つべき本質を深く理解することができました。
学生からのコメント
  • 実際にシャネルでマーケティングに携われていた方のお話を聞く貴重な体験でした。「ココ・シャネルは社会課題を解決(女性を煩わしさから自由にすること/女性の解放)するために創業した」という言葉は、解決すべき課題が多い現代にこそ実践すべき起業の考え方だと強く感じました。

  • シャネルというブランドが誕生した理由を知り、強い憧れを抱きました。将来、自分が目指す姿になれた時、シャネルを手にしたいと感じました。

  • 長く愛され続けるほどユーザーが離れず、ユーザーとともにブランドイメージも歳を重ねてしまうため、価値やスタイルを変えずにブランドも若返る必要があることを学びました。

  • 女性が暮らしやすくなるために製品を開発し、女性のために人生を賭けたココ・シャネルの生きざまに感動しました。

  • 世界的なラグジュアリーブランドに成長するためには、創業者がブレずに揺るがずに、物事を徹底的に追求し、最後までやり抜くことが大切であることを学びました。
織戸恒男准教授のコメント

 ゲストスピーカーの光成さんのお話には、ビジネスで注目すべき視点が2つありました。

 ひとつは「ショルダーバッグ(ハンドバッグ+チェーン)、リップスティック(紅化粧+弾丸の火薬容器である薬きょう)、ジャージードレス(男性用素材+女性用アイテム)など、ココ・シャネルは既存の要素の組み合わせでファッション業界にイノベーションを起こした」というお話です。1920年代にイノベーションの概念を世の中に初めて提唱した経済学者であるヨーゼフ・シュンペーターの「イノベーション理論」に通じる考え方であり、なぜ100年が経過した今、シュンペーターが再びクローズアップされているのかを改めて納得することができました。

 もうひとつは、「売り上げは結果であり、結果を見て動くのは遅い。結果に影響を与えそうなことに先に手を打つ。それは消費者の動きであり、認識・気持ち・態度である」というお話です。これはまさに、マーケティング論の履修生が修得しなくてはならない「マーケティング思考」そのものであり、ビジネスにおいて、「KGI*」を達成するために「KPI**」を指標とする進捗管理の重要性に通じる考え方なのです。

 大変お忙しい中、今回の特別講義の依頼をご快諾いただいた光成章さんに心から感謝申し上げます。
 
*KGI(Key Goal Indicator):「重要目標達成指標」と訳され、企業の経営戦略として達成すべきゴールのこと
 
**KPI(Key Performance Indicator):「重要業績評価指標」と訳され、企業の経営戦略として達成すべきゴールがいくつかの要素で構成されており、それぞれの要素が目標に対してどのくらい達成しているかを示す数値やバロメーターのこと
 
文責 川口短期大学 ビジネス実務学科 織戸恒男
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