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社会福祉法人桜楓会 医療型障害児入所施設・カリヨンの杜の見学をしました(こども学科・西内ゼミ)
2024-06-07
カテゴリ:活動の紹介-こども学科
令和6年4月27日(土)、こども学科「保育・教育学演習Ⅱ」(西内ゼミ)の授業で、埼玉県蓮田市にあります医療型障害児入所施設・カリヨンの杜を訪問して、医療的ケアを必要とするこどもの具体的な支援等の取り組みについて見学を行いました。

 最初に、副施設長兼看護部長の黒田京子先生から、施設方針である「よりそい、ともに歩む」というカリヨンの杜の想いおよび施設概要についての説明を受けました。
 次に生活療養部療育長の小島正和先生からは、パワーポイント資料に基づいて入所および外来診療部門の医療的ケア・療育活動等について詳細な説明をしていただきました。その後、保育士の小島千賀子先生からは入所中の重症心身障がいの利用者の方に対して、保育士の視点でどのような取り組みを行っているのかについて質疑応答を交えながらわかりやすく説明を受ける機会を得ることができました。
カリヨンの杜玄関前
黒田副施設長・小島療育長と一緒に
 また、療養活動の一環で利用者の方のストレスを軽減したり、リラクゼーションの効果をもたらすために、視覚、聴覚、嗅覚、触感などの感覚器官を通して脳に働きかけを行う「スヌーズレンの部屋」で癒しの実体験をさせていただきました。

 スヌーズレンとは、オランダが発祥であり、この療育の基本的な考え方は利用者にとって心地よい環境を提供することを最大の目的としており、幼少期のこどもから高齢者まで幅広い年齢層を対象に活用されています。なお、さらに詳しくお知りになられたい方は、日本スヌーズレン協会のホームページをご参照ください。

日本スヌーズレン協会
スヌーズレン室の様子
左側:クッションソファ 右側奥:ボールプール
右側手前:ウォーターベッド
サイドグロー
バブルチューブ
 保育士の小島千賀子先生からは、重症心身障がいのある利用者の方に対して具体的にどのような療育活動を行っているのかについて、本学の見学学生の質問を踏まえながら丁寧に教えてもらうことができました。

・質問1:利用者の方とコミュニケーションを取るのが難しい場合には、どのような対応をされているのか?

 回答1:先ずは利用者の方の気持ちに寄り添い、何を求めているのかを汲み取ろうと努める。また、スタッフ同士で利用者のことについて把握できたことを必ずシェアする。さらに、利用者の何気ない手の動かし方や顔の表情などに日々留意することを大切にしている。

・質問2:年間の製作活動等を企画するうえで工夫されていることは?

 回答2:利用者の多くの方が、四季折々の季節感を直接肌で感じる機会が少ないので、実際の戸外の様子や自然の風の流れを感じてもらえるような工夫を心がけている。また、利用者各自の障がいの状況に合わせて、細いマジックが持てない場合には、マジック自体にクッション素材などを巻き付けて、本人が持ち易くなるようにオーダーメイドのマジックを用意している。

・質問3:年間行事の中でホスピタルクラウンという話が出ていたが、これはどのようなものなのか?

 回答3:ホスピタルクラウンとは病院などで利用者の心のケアをする道化師のこと。カリヨンの杜では、定期的にホスピタルクラウン協会の方に訪問していただいている。なお、詳細については、NPO法人日本ホスピタルクラウン協会のホームページを参考にしてください。

NPO法人日本ホスピタルクラウン協会 
入所病棟にて常勤保育士の小島千賀子先生から学ぶ
小島千賀子先生とともに
最後に、こうした様々な学びの多い貴重な訪問見学の機会をご用意くださった、施設長鍵本聖一先生、副施設長兼看護部長の黒田京子先生、生活療育部療育長の小島正和先生、保育士の小島千賀子先生に心より感謝申し上げます。

<施設概要>
社会福祉法人桜楓会 医療型障害児入所施設・カリヨンの杜
目的:障害児(者)福祉の充実に寄与する
   慢性期患者(在宅患者含む)にあった医療サービスの効率的な提供
対象:重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複している小児および児童
機能:長期入所 短期入所 日中お預かり(特定短期入所)
   小児科外来診療
 
※現在、埼玉県内には医療的ケア児等とそのご家族が適切な相談を受けられるようにするために相談窓口が4ヶ所あります。詳細につきましては、下記にあります埼玉県ホームページをご参照ください。
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